平成17年2月定例市議会(いそたにの個人質問内容)

昨年6月定例市議会での個人質問、11月定例市議会での代表質問で取り上げさせていただいた通称「残土条例」制定の議案が今議会に上程されました。

担当部、課の職員の皆様には「よくやった、良くやっていただいた」と思っています。岡山市周辺部の議員の一人としてこれほど嬉しいことはありません。改めて当局の皆様に対しましてお礼申し上げます。また、議員の皆様に対しましてもよろしくお願いいたします。

この問題は過去30年前より現在に至るまで岡山市周辺地区の住民が悩んできた大きなテーマのひとつであります。この条例の制定により安全で快適な環境作りが行なわれていくものと考えます。

今後はこの条例が生きるよう1000u以上の広さの場合の担当である「県」へも働きかけが必要で「県土保全条例」の見直しを視野に入れ働きかけて参りたいと考えております。

1.総合防災対策について

(ア)防災の観点から見た当初予算案

昨年の一連の台風による本市の被害状況を見てみると、台風16号、18号では主に浸水被害、そして21号、23号においては内水による浸水被害という風に大きく考えられるのではないでしょうか。

本市の南部は海抜が低く、また、用水路も多いという特性があります。昔は広大な田がある程度、水を吸収してくれていたのですが、宅地化が進むにつれ、舗装道路も増え、土地自体が有している保水能力が低下してきています。

道路冠水や床上、床下浸水など度々の浸水被害の経験を踏まえ、浸水被害の軽減に向けて、自分たちの地域は自分たちで守るのだと、南輝学区では自主防災組織の設立に向けて準備している所です。

しかし抜本的な浸水被害の解消の為にはハードの整備が必要であります。

来年度当初予算を見ますと、河川港湾課において、可搬式ポンプの予算が計上されておりますし、下水道の浦安ポンプ場については、先の11月議会で「ポンプ場本体は平成18年に完成するが、ポンプ場の排水路については、平成20年度の目標を少しでも早くなるよう努力する」とのことでした。

そこでお尋ねします。

●可搬式ポンプにつきましては、今回の河川港湾課のものや、消防団の持っているもの等がありますが、現状の可搬式ポンプの配置場所と、新規配置場所予定場所及びそれぞれの排水能力等についてはどうなっているのでしょうか。また、災害時における相互の連携や、全市的な運用をすべきでないかと考えますが、いかがでしょうか。

●浦安ポンプ場につきましては、地元も自主防災に向けて頑張っていますので、行政の方も頑張っていただき、平成17年度に暫定的、あるいは緊急的にでもポンプ場を稼動させ、内水対策に活用できるような工夫をしていただけないでしょうか。

〜市長答弁〜

毎分3トンの排水能力を持ったポンプを児島支所管内に10台設置する予定です。そして地元町内と管理協定を結び、岡山市全体の共通の財産であることを明記し、広域的運用も視野に入れ、その運用について岡山市の指示に従うということにする。

ポンプ場の早期活用を計るべく、安部池を利用しての排水は既に設計に着手している。工事は平成17年度に着手する。
排水口(児島湾)については今後漁業組合と協議を進めて行きたい。

(イ)避難所についての一提案

先の11月定例市議会において私の代表質問の中の総合防災対策で「各地域(町内)の避難場所は万全か?」とお尋ねした所、教育長は「小中学校の体育館の耐震化整備率は48%である」と答弁されました。

昨年秋の台風災害の教訓から市内各町内では「自主防災組織つくり」が徐々に始まっていますが、町内によっては小中学校まで非難するには遠すぎるという意見が出ているところもあります。
特に小さい子供たち、高齢者の方にとっては近い方が良いと思われます。

小中学校の体育館の補完的な避難場所として各町内の公会堂がよいとか、近くのビルが良いという町内の意見も出ています。

今後、公会堂の建て替えをする時には、町内会に対して現行の補助金に耐震化工事分(かさ上げ分)を上乗せしてはと考えますが、当局のお考えをお示し下さい。

〜市長答弁〜

公会堂の建て替えは避難所としての活用もあり得ることから、一定の耐震性能を備えたものについては、建築確認申請済みを確認の上、関係課に事前見積もりにより審査を依頼し対応している。

2.改訂岡山市環境基本計画(一事案)・・・京都議定書に関連して

去る2月16日、地球温暖化に対処する為、先進国に二酸化炭素などの温室効果ガスの削減を義務付けた「京都議定書」が発行されました。
地球温暖化による海面上昇によりモルジブ共和国やキリバス等の島国は国土存亡の危機に立たされていると言われています。これは日本にも言えることで、私の家の前の児島湾でも海面が上昇してきており、大変なことになってきていると実感しています。

日本においては議定書は2012年までに1990年に比べて6%削減しなければなりません。

ところが、2003年において8%増となっているので2012年までに14%削減しなくてはならないことになります。このことは「国際公約」となります。

日本政府は官公庁や企業、国民の役割を明確化した「京都議定書目標達成計画」を5月に閣議決定する方針です。

最大の排出国であるアメリカが参加せず、また、中国は削減義務なしという矛盾もあります。
環境省は環境税を導入しようとしていますが、経済産業省は前向きでないようです。
また、日本経団連は環境税の導入について反対を表明しています。

民生・運輸部門での排出抑制の取り組みを強化するとの決意を表明していますが、政府が策定する達成計画で企業活動を統制することには強く反対するとの意見書を出しています。

そのような状況の中で先日「改訂岡山市環境基本計画(一次案)」が出されましたが、岡山市の二酸化炭素排出量の推移ではエネルギー、産業部門においては減少していますが、運輸部門(車)においては増加しています。

基本計画の中で「地球温暖化プロジェクト」として重点目標は2点で、
 ●1990年に比べて2012年には国と同様二酸化炭素を6%削減にする。
 ●(市長は低公害車に乗っていますが、)市有自動車における低公害車の導入割合を50%以上とする。
としています。
そして重点取り組み事項として、4点挙げられており、その中に「自動車環境対策」があります。

そこで市有自動車において低公害車導入割合を50%にする、また、ノーマイカーデイについて倉敷市と連携して行なうとあります。

そこで

(ア)パーク&バスライドについて

5年前より取り組んでおられますが、現在の状況はどのようになっているのか、また、今後どのようにして行こうと考えられているのか、当局の考えをお示し下さい。

〜市長答弁〜

利用は以前と比べ増えている。当初、協力施設4ヶ所68台であったのが現在では9ヶ所268台となっている。
二酸化炭素削減について大いに効果があると考える。今後いろんな方向で検討していきたい。

(イ)建設リサイクル(分別解体)・・・市民の理解は?

基本計画の中に「循環型社会構築プロジェクト}があり、重点取り組み事項の中に廃棄物の適正処理として産業廃棄物排出事業者や処理業者の適正処分の指導等が挙げられています。

平成14年5月30日より「建設リサイクル法」が施行されています。その中で建築物の「分別解体」及び「再資源化」が義務付けられています。

それから2年余経っていますが、建設副産物としてのコンクリート・アスファルトはほとんど再生材として利用されるようになりました。

一方、木材についてはまだ十分とは言えません。この原因は何か、何が阻害しているか、木材については官より民(民間住宅)が圧倒的に多く、そのほとんどは市民の皆様が発注者であります。

例えば、150uの家屋を解体すると、以前は二ブラを使っての「ミンチ解体」で機械で作業するので100万円前後の解体処理費でしたが、今では「分別解体」が義務付けられましたので、人手が多くかかり300万円位かかると思われます。しかし、この「分別解体」により産廃の焼却炉周辺地域の環境は以前と比べ良くなりました。

環境を良くしていくにはお金がかかるということです。

そこでお尋ねしますが、建築指導課では解体の「届出書」が7日前に業者より」出されますが、「分別解体」についてどのように指導されているのかお聞かせ下さい。

また、民家の分別解体の場合は市民の皆様が発注者ですが、市民の皆様がお金を出して分別解体に協力してくれないと解体業者として「業」が成り立ちません。市として分別解体について普及啓発と適正な市民負担をどのようにしようとしているのかお聞かせ下さい。

〜市長答弁〜

解体工法手順等分かりやすく解説した手引書を作成していてこれで指導を行なっている。
また、年2回春秋定期パトロールの実施、市民から情報を得た場合は出向いて適正な分別解体の指導を行なっている。
又、適正な費用負担は市民の理解が必要不可欠である。市のホームページ等で啓発しているが、今後、市の広報誌等を利用して啓発活動に努めていきたい。

3.「総合防災対策」「改訂岡山市環境基本計画(一次案)」の遂行と岡山市の組織について

今回の質問では「総合防災対策」及び京都議定書に関連して「岡山市環境基本計画」の一部についてお尋ねしますが、2点とも岡山市役所の全ての部局に絡むものとなっております。

岡山市の組織では、総務局の下に「防災対策室」環境局の下に「環境調整課」があり、2つの部署はラインの下にありますが、市長、助役のスタッフ的色彩が濃い「室」、「課」でございます。
今後、この「室」、「課」が今まで以上に重要な位置を占めてくると同時により能動的な「室」、「課」になっていかねばなりません。

市長、助役の腕次第となってきますが、市役所の職員の協力、又、市民の皆様の協力がなくては成り立ちません。
光り輝く防災対策室、環境調整課にするために、スタッフ機能としてのこの二つの部署を市長、助役はどのように位置づけられておられるのか、ご所見をお聞かせ下さい。

〜市長答弁〜

防災対策室も環境調整課も双方共に頑張っているところである。我々(市長、助役)も思う存分仕事をさせていただく考えだ。

4.「教師の日」制定について

戦後60年を向かえ、教育の分野においては、子供による凶悪犯罪の発生、非行の低年齢化、いじめ、不登校など様々な問題が生じ、その解決や学校の教育力の再生に向けて、国を挙げての教育改革に取り組んでいる所です。

また、教師による不祥事も近年では多発し、教師の質の低下も問われている状況です。

例え、100人の教師の内、一人が信用失墜行為をしたとしても、残り99人がバッシングを受けます。
日夜、子供の教育に情熱を傾け、強い使命感の下に、子供、保護者、地域の皆さんから信頼される素晴しい教師も大勢おられます。

教師の尊厳を改めて取り戻し、教師自身もその使命の重大さを再認識することが重要です。

そこで提案いたしますが、日頃、子供たちを指導してくださる先生を敬い、労うための日、「教師の日」を制定してはどうでしょうか。

すでに県が制定している11月1日の「教育の日」とは別に位置づけ、子供が教師に対して敬虔な気持ちを高め、教師に感謝の意を表す機会にすることは意義あることだと考えます。
教師もまた、国民の信頼と期待に答えるべく、教師としての社会的役割を十分に認識し、その使命感を更に高めることができると思います。
儒教文化圏のアジアでは、20〜30ヶ国で、この「教師の日」が定められていると聞いています。

そこで「教師の日」制定に関して教育長のご所見をお聞かせ下さい。

〜教育長答弁〜

「教師の日」を制定することにより、教師自身がさらに自己研鑽に努め、子供を育み、教師としての資質や能力を高めていくことが出来る。
制定するに当たってはパブリックコメントなどを通して幅広く市民の意向も聞いてみたい。

5.イマージョン教育について

一市2町の合併実現も間近に控え、岡山市も政令市に向け、県都としての格を上げながら、「未来を担う人が育ち、活気溢れる豊かな“国際・福祉都市”を目指し、更なる飛躍を遂げることが期待されます。

国際化も一段と進み、岡山市の子供たちが世界中の国々と交流を図り、諸外国の人々と直接意見交換する機会が非常に多くなってきています。

こうした国際化社会の流れを受け、学校現場では小学校の総合的な学習の時間の中で、国際理解教育の一環として英会話学習が導入されています。
岡山市では、ほぼ9割の小学校で英語活動が展開されていると伺っています。

岡山市教育委員会では、教育改革の取り組みとして、来年度から「通学区の弾力化」を実施されるが、そのねらいには「学校の特色づくり」もその1つに挙げられています。

岡山市の特色ある教育として、「英語にどっぷり浸す教育」である「イマージョン教育」を来年度から導入することが決定しています。
具体的には、石井、御南、平島の3小学校を「イマージョン教育推進モデル校」に指定し、来年度から新一年生を対象に、一部の教科を英語で指導する授業が始まります。
子供たちの英語によるコミニュケーション能力を育成し、子供たちの学習意欲を喚起する新しい教育を進めようとされており、大きな期待を寄せるものです。

特に、石井小学校では、市内全域からイマージョン教育希望者の申請を受け、広域の学校区からも児童を受け入れます。
と同時に、石井学区からの石井小学校入学予定者の全員がイマージョン教育を希望されており、保護者の高い二ーズに応えて、子供たちが英会話による質の高いコミニュケーション力を身につけることを願っております。

そこで次の3点について教育長のご所見をお伺いします。

@イマージョン教育を実施することで、子供たちにどのような教育効果が期待できますか?

〜教育長答弁〜

英語にどっぷり浸かることにより、コミュニケーションの基本となる英語を聞き取る力が大きく伸びる。外国人教師により直接英語を通して異文化の理解を深めることが出来る。
外国の人と積極的にコミュニケーションしようとする能力が身に付く事等を期待している。

Aイマージョン教育では、外国人講師と担任教師が協同で指導に当たられるとの事ですが、どのような指導になりますか?

〜教育長答弁〜

外国人講師が児童の理解度を見ながら全ての指導を英語で行なう。担任教師は外国人講師と協力しながら理解しにくい生徒の指導支援にあたる。

B指導にあたっては、特別なカリキュラムによる指導内容になるのでしょうか?

〜教育長答弁〜

学習指導要領に従って行い、文部科学省検定済教科書を使用して指導する。



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